不登校の子に親はどう接するべき?家庭でできる声かけと、親子で「悪循環」を抜けるヒント
公開日:2026-04-01 更新日:2026-05-01
お子さんが学校に行けなくなると、親御さんは「どう声をかければいいのか」と、出口の見えない不安に包まれることがあります。この記事では、公的資料や心理支援の基本的な考え方を踏まえ、訪問看護の現場でも大切にしている「家庭でできる小さな支え方」を整理します。
この記事のポイント
- 不登校を「怠け」ではなく「つらさが重なって続いている状態」として理解します
- 親が「正解」を教えるより、一緒に答えを探すパートナーになります
- 登校よりも、まず「家庭での心の安全」を最優先にします
- 「小さな行動」から整えることで、心の回復を土台から支えます
不登校を「怠け」と決めつけないために
心理支援では、出来事そのものだけでなく、その出来事をどう受け止めたかが、気持ちや行動に影響すると考えます。不登校のお子さんの心の中では、次のような「悪循環(スパイラル)」が起きていることがあります。
- 思考:「学校に行かなきゃ。でもまた失敗するかもしれない。みんなにどう思われるか怖い」
- 気分:激しい落ち込み、強い不安、自己否定感
- 身体:朝起きられない、腹痛、頭痛、めまい
- 行動:部屋にこもる、ゲームに没頭する(つらい感情から距離を取ろうとする)
この状態は、本人の気持ちだけで簡単に切り替えられるものではありません。まずは「何が起きているのか」を責めずに理解しようとする姿勢が大切です。
親がまず避けたい3つの声かけ
良かれと思った言葉が、かえってお子さんを追い詰めてしまうことがあります。特に本人のエネルギーが落ちている時は、次のような言葉に注意が必要です。
- 「なぜ行けないの?」と理由を詰める:本人も理由をうまく言葉にできず、苦しんでいることが多いです。
- 「みんな頑張っているよ」と比べる:他者との比較は、本人の自己否定感をさらに強めてしまいます。
- 「明日は行けそう?」と毎日聞く:「期待に応えられない自分」を再認識し、不安を強めることがあります。
家庭でできる3つの関わり方
無理に学校へ向かわせるのではなく、家庭内での「安心感」と「小さな活動」を積み重ねることが、回復の土台になりやすいです。
方法 1
親子で「一緒に模索」する
親が「こうするべき」と正解を押し付けるのではなく、お子さんと一緒に「何をすると少し楽になるか」を試していく姿勢です。答えを決めつけず、本人の言葉を引き出す問いかけを大切にします。
方法 2
小さな「できた」を集める
いきなり登校を目指すのではなく、具体的で達成可能な小さな行動を評価します。たとえば「昼夜逆転せず起きられた」「好きな料理を一緒に作れた」など、本人の負担にならない活動を積み上げます。
方法 3
困りごとを「小さく分ける」
「学校」という大きな壁として捉えるのではなく、「給食の時間がつらい」「特定の授業が苦手」など、困りごとを具体的に分けて考えます。解決しやすい小さなことから親子で試していきます。
【反応別】こんな時、どう返す?声かけ例
| お子さんの反応 |
声かけのヒント |
| 「自分なんてダメだ」 |
「そう感じるくらい、今は苦しいんだね」と、まずは否定せず今の感情を受け止めます。 |
| 朝になると体調が悪い |
理由を急いで探らず、「まずは体を休めよう」と安全を優先します。体調の変化は事実として扱い、必要に応じて受診や相談につなげます。 |
| ゲームばかりしている |
ゲームやスマホが、今の本人にとって不安から一時的に離れる手段になっていることがあります。まずは否定から入らず、生活リズムが大きく崩れていないかを見ながら、少しずつ整え方を一緒に考えます。 |
親御さん自身がつらい時の整え方
親御さんが不安にのみ込まれそうな時は、まずご自身の心身を整えることも大切です。一般向けのストレス対処の考え方として、呼吸や体の感覚に意識を戻す方法が紹介されています。
- 不安な考えから少し距離を置く:頭の中の不安をすぐに結論にせず、「今、自分は不安が強くなっている」と気づくことから始めます。
- 今の感覚に集中する:足の裏が地面についている感覚や、周りに見える物の数を数えるなどして、「今ここ」に意識を戻します。
- 自分自身をいたわる:親御さんが少しでも休める時間を確保することが、結果としてお子さんの安心にもつながります。
訪問看護に相談できること
訪問看護は、家庭で起きていることを整理し、本人の体調や生活の様子を見ながら、必要に応じて医療機関や学校などとつなぐ役割があります。親子だけでは整理しきれないことを、一緒に確認していけるのが強みです。
- 家庭の様子の観察・整理:看護師が定期的にお伺いし、お子さんの体調や生活リズムの波、家庭内で落ち着きやすい場面を整理します。
- 主治医や学校との橋渡し:「家ではこんな工夫をしている」「こういう時に落ち着きやすい」といった情報を整理し、関係機関と共有しやすい形にします。
- 親子それぞれの伴走者:親子だけでは煮詰まりやすい時に第三者として関わり、それぞれの声を聴きながら無理のない支え方を一緒に考えます。
よくある質問(Q&A)
Q. 学校の話を一切しないほうがいいのでしょうか?
無理に避ける必要はありませんが、本人が強い不安を感じている時は「情報」を伝えるのではなく、まず「気持ち」を聴くことが優先です。本人の心のエネルギー状態を見ながら、話せる時に話す、というスタンスが基本です。
Q. ゲームやスマホばかりしていても見守るべきですか?
ゲームやスマホが、今の本人にとって不安から一時的に離れる手段になっていることがあります。まずは否定から入らず、生活リズムが極端に崩れていないかを見ながら、少しずつ整え方を一緒に考えることが大切です。
Q. 朝になると毎回お腹が痛いと言います。気持ちの問題として扱ってよいのでしょうか?
体のつらさを「気のせい」と決めつけないことが大切です。まずは体調の事実として受け止め、必要に応じて受診や主治医への相談につなげます。そのうえで、どんな場面で不安が強まりやすいかを一緒に整理していきます。
Q. 親は学校に行くよう促した方がよいのでしょうか?
一律に促せばよいわけではありません。強い不安や疲れがある時は、まず心身の安全を優先し、話せる状態を整えることが先です。登校の話題は、本人の様子を見ながら負担にならない形で扱うことが大切です。
Q. 親だけで相談してもよいのでしょうか?
はい、親御さんだけの相談でも問題ありません。本人がまだ話したがらない時期でも、家庭での関わり方や見守り方を整理することには意味があります。親御さんが状況を言葉にできるようになるだけでも、次の一歩につながることがあります。
このコラムの作成体制
本コラムは、株式会社グリーンラボが企画・編集し、厚生労働省・WHO・文部科学省の公開資料を参考に、訪問看護・小児支援の視点を踏まえて作成しています。
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