学校と訪問看護はどう連携するのか(同意と手順)
学校や担任の先生との連携は可能な場合がありますが、まずご本人や保護者の方の同意の範囲を明確にし、共有する情報(目的・項目・頻度)を決めてから進めます。連携はあくまで「ご本人のための情報共有」が中心で、医療情報の扱いには細心の注意を払います。
この記事のポイント
- 学校との連携には、必ず「ご本人の同意」が必要です
- 共有する情報は「伝えておいた方が安心なこと」に絞ります
- 連携の目的は、学校での理解を広げ、安心して過ごせる環境を作ることです
- 無理に連携せず、まずは家庭内でのサポートに集中する選択肢もあります
連携の目的(何のために共有するか)
学校と訪問看護が連携する主な目的は、以下の3点です。
- 相互理解: 「家ではリラックスできている」等のポジティブな情報を学校に伝え、先生の安心につなげる。
- 配慮の要請: 体調の波や特性について専門的な視点から説明し、学校生活での具体的な配慮(保健室利用のルール等)を相談する。
- 緊急時の対応: 学校で体調が悪くなった際のスムーズな連絡体制を作る。
同意の取り方(範囲・期間・撤回)
個人情報保護の観点から、連携を始める前には書面等で同意をいただきます。同意は「全てお任せ」ではなく、細かく設定できます。
同意書で確認する項目の例
誰に: 担任のみ、養護教諭も含む、スクールカウンセラーも含む など
何を: 体調のこと、服薬のこと、家庭での様子 など
期間: 今年度末まで、卒業まで、撤回するまで
方法: 電話、連絡帳、会議への参加 など
※同意はいつでも変更・撤回が可能です。「やっぱり伝えないでほしい」と思ったら、遠慮なくお申し出ください。
共有項目テンプレ(最低限の項目)
「何を伝えたらいいか分からない」という場合、まずは以下の3点を共有することをお勧めしています。
| 項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 1. 医療的な配慮事項 | 「朝は血圧が低く起き上がれないことがある(起立性調節障害)」「大きな音が苦手」など、病気や特性による具体的な困りごと。 |
| 2. 緊急時の対応 | 学校でパニックになった時や体調が悪化した時の、本人にとって安心できる対応方法(静かな場所で休ませる等)。 |
| 3. 家庭での様子 | 「家では趣味のゲームを楽しんでいる」「訪問看護師とは話せている」など、学校では見えにくい安定した姿。 |
連携がうまくいかない時の代替
学校側との連携が難しい場合や、ご本人が学校との関わりを望まない場合は、無理に連携を進めることはありません。
- 家庭内支援に集中する: まずは家庭を「安心できる基地」にすることを最優先にします。
- 別の相談機関とつながる: 教育支援センター(適応指導教室)や民間のフリースクールなど、学校以外の居場所との連携を模索します。
よくある誤解(Q&A)
Q. 勝手に学校に連絡されることはありますか?
ありません。
学校と情報を共有する場合は、必ず事前にご本人と保護者の方から「情報共有に関する同意書」をいただきます。同意がない限り、訪問看護師から学校へ連絡することはありません。
Q. 担任の先生に指導してもらえますか?
訪問看護師は学校の先生を指導する立場ではありません。
あくまで「ご本人が安心して過ごすための医療・生活面での配慮事項」を専門職の視点からお伝えし、協力体制を相談します。
出典・参考情報