昔は家族で子育てできた?
今は支援を頼っていい理由

公開日:2026-03-12 更新日:2026-06-22

赤ちゃんを抱く母親と話す訪問看護師のイラスト

「昔は家族だけで子育てしていたのだから、今も家庭で何とかできるはず」と考えられることがあります。しかし現在は、育児の負担を家庭内で分け合える人数が少なくなっています。支援が必要になる背景には、親の努力不足ではなく、家族構造や働き方、周囲の支援環境の変化があります。

この記事では、昔と今で子育てを支える環境がどう変わったのかを確認し、産後ケア・訪問看護・自治体支援など、家庭だけで抱えないための選択肢を紹介します。

育児負担が大きくなる理由は一つではありません。核家族化、共働き、近くに頼れる人がいないこと、産後の心身の不調などが重なることで、家庭だけでは支えきれなくなることがあります。

この記事のポイント
  • 今は、育児を家庭内で分担できる人数が限られやすい環境です
  • 核家族化や共働きなどが重なり、負担が一人または夫婦に集中することがあります
  • 外部の支援を使うことは、親の努力不足や甘えではありません
  • 相談先が分からない場合は、自治体や各支援機関に相談できます

なぜ今は、家族だけで育児を支えにくいのか

昔の子育てが楽だったわけではありません。夜泣きも授乳も家事も、昔から大変でした。違うのは、育児を分け合える家族が身近にいるかどうかです。

祖父母が同居、もしくは近くに住んでいる家庭では、上の子の見守り、買い物、沐浴の補助、短時間の抱っこ交代、通院時の付き添いなどを分担しやすい場合がありました。反対に、夫婦と子どもだけの世帯では、こうした負担を少人数で引き受けることになります。

今の子育てで起こりやすい負担
  • 夜間対応が夫婦のどちらか一方に集中する
  • 買い物・受診・上の子への対応を同時に進めにくい
  • 短時間でも休むための交代要員が家庭内にいない

世帯構造の変化から分かること

現在の子育て世帯の多くが、祖父母との同居ではなく、親子を中心とした世帯であることは統計からも確認できます。

2023年 国民生活基礎調査ベース

夫婦と未婚の子のみの世帯

75.9%
約4世帯に3世帯
児童のいる世帯の大半を占めています。子育て世帯の中心が、祖父母同居ではなく、親子中心の構造になっていることを示します。
2023年 国民生活基礎調査ベース

三世代世帯

11.2%
約9世帯に1世帯
児童のいる世帯の中で、祖父母を含む三世代世帯は少数派です。「昔のように家族で支える」を前提にしにくい構造です。
国立社会保障・人口問題研究所 2024年推計

今後の世帯構造

小規模な世帯が中心
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計でも、単独世帯や夫婦のみの世帯など、小規模な世帯が中心となる見通しです。家族だけで支えることを前提にせず、外部の支援も選択肢に入れる必要があります。

つまり、育児の負担が軽くなったのではなく、家庭内で支えられる人数が少なくなっているというのが、現在の子育てを取り巻く構造です。

昔と今で、子育てを支える人数はどう変わったか

「昔はやれていた」という言い方は、一見もっともらしく聞こえます。しかし、今の家庭に昔と同じ支え方を求めることはできません。現在は、育児や家事を、限られた人数で引き受けている家庭が多いためです。

特に産後、双子・多胎、医療的ケア児、上の子がいる家庭、ワンオペ家庭では、負担が一人または夫婦に集中しやすくなります。こうした状況では、家族以外の支援も最初から選択肢に入れる必要があります。

昔の前提

家族で分担できる場合があった

祖父母との同居や近居がある家庭では、抱っこ交代、買い物、上の子への対応、通院の付き添いなどを分担しやすい場合があります。
今の前提

少人数に負担が集中しやすい

親子だけの世帯が中心となり、細かな負担が夫婦または一人に集まりやすくなっています。短時間でも休むための交代要員がいない家庭もあります。
必要な発想

家族以外の支援を選択肢に入れる

家庭内で担いきれない分を、産後ケア、訪問看護、レスパイト、一時預かり、家事支援などで補います。
  • 支援が必要になるのは、親の努力が足りないからではありません
  • 「昔はできた」という前提を、そのまま今の家庭には当てはめられません
  • 家族以外の支援を、最初から選択肢に入れて構いません

産後ケア・訪問看護・生活支援の役割

家庭内で育児を支えられる人数が限られる現在は、家庭だけで担いきれない負担を、外部の支援も使いながら補うことができます。ただし、産後ケア、訪問看護、レスパイト、保険外サービスは、対象と役割が異なります。

こども家庭庁は、産後ケア事業を、出産後1年以内の母親と赤ちゃんを対象に、心身のケアや育児のサポートなどを行う事業と案内しています。家庭だけで抱え込まず、目的に合う支援を選ぶことが大切です。

どこに相談すればよいか分からない場合は、自治体の子育て相談窓口や、気になっている支援の窓口に相談できます。当事業所では、現在の生活状況や不安を伺い、訪問看護についてご案内します。

支援ごとの主な役割
  • 医療・健康面:訪問看護は、医師の判断と訪問看護指示書に基づき、母子の健康状態や療養生活を支援します。利用可否や支援内容は個別に異なります
  • 休息・預かり:産後ケア、レスパイト、一時預かりは、休養、育児相談、通院、上の子への対応などに利用できる場合があります
  • 家事・生活面:保険外のシッターや生活支援は、家事、見守り、外出の付き添い、休息時間の確保などを相談できます

家族に共有したいのは、「家族だけで頑張るべきかどうか」ではありません。昔と今では家庭を取り巻く条件が違うため、現在の状況に合った支え方が必要です。

家庭だけで抱えなくて大丈夫です

睡眠不足、育児負担、外出の難しさなど、現在の生活状況や不安をお聞かせください。訪問看護について相談したい場合は、当事業所でご案内します。 ※対象エリア:品川区・目黒区・港区・大田区

💬 LINEで相談する

よくある質問

Q. 昔は家族だけで育てられていたのに、なぜ今は支援が必要なのですか?
育児の大変さが増えたというより、負担を分け合える家族構造や働き方、周囲の支援環境が変わったためです。
児童のいる世帯では、夫婦と未婚の子のみの世帯が多数を占め、三世代世帯は少数派です。親の努力不足ではなく、家庭だけで支えにくい条件が重なることがあります。
Q. 産後ケアや訪問看護を使うのは甘えですか?
甘えではありません。
産後ケアや訪問看護は、家庭だけで抱え込まないための制度や支援です。利用できる制度や支援は、体調、家庭状況、地域、利用条件によって異なります。
Q. 訪問看護と保険外サービスは何が違いますか?
訪問看護は、医師の判断と訪問看護指示書に基づき、母子の健康状態や療養生活を支援します。利用可否や支援内容は個別に異なります。保険外サービスは、家事、見守り、きょうだい対応、休息時間の確保など、医療保険では扱えない生活面の支援を相談できます。
Q. どの支援を使えばよいか分からない場合、相談できますか?
相談できます。どこに相談すればよいか分からない場合は、自治体の子育て相談窓口や、気になっている支援の窓口に相談できます。当事業所では、現在の生活状況や不安を伺い、訪問看護についてご案内します。

この記事の作成について

本コラムは、株式会社グリーンラボが企画・編集し、訪問看護・小児支援に関わる専門職の視点を踏まえて作成しています。

支援を頼ることは、甘えではありません

産後の不調、睡眠不足、育児負担、母子の健康状態について、現在の生活状況や不安を伺います。訪問看護の利用には、主治医の判断と訪問看護指示書が必要です。 ※対象エリア:品川区・目黒区・港区・大田区

LINEで相談する
出典・参考情報

※本文中の「夫婦と未婚の子のみの世帯 75.9%」「三世代世帯 11.2%」は、2023年の国民生活基礎調査結果をもとにしたJILPTの整理に基づきます。

💬 LINEで相談する
品川区・目黒区・港区・大田区