訪問看護の料金はどう決まるのか(医療保険・介護保険・自費の全体像)
訪問看護の費用は、医療保険または介護保険の制度枠と、自己負担割合・公費助成の有無で概ね決まります。加えて、交通費などの『制度外の実費』が発生する場合があります。具体額は、契約前に各事業所の重要事項説明・料金表で確認するのが確実です。
訪問看護の料金は、以下の組み合わせで計算されます。
- 【制度】 医療保険か、介護保険か(年齢や病名で決定)
- 【負担割合】 1割〜3割(所得・年齢による)
- 【公費】 自治体の助成など(該当する場合のみ0円や上限額適用)
- 【実費】 交通費、おむつ代など(保険がきかない部分)
医療保険/介護保険で費用が変わる理由
訪問看護は、利用者の年齢や病気の種類によって「どちらの保険を使うか」が国のルールで決められています。ご自身で好きな方を選べるわけではありません。
制度の使い分けイメージ
| 介護保険 |
65歳以上の方(要介護認定あり) および、40歳〜64歳で特定疾病(老化に伴う病気)の方。 ※原則として介護保険が優先されます。 |
|---|---|
| 医療保険 |
40歳未満の方、または要介護認定を受けていない方。 ※65歳以上でも「厚生労働大臣が定める疾病(難病や末期がん等)」や「特別訪問看護指示書」が出ている期間は、医療保険に切り替わります。 |
※どちらの保険が適用されるかで、基本料金や加算の種類、月の上限回数などが異なります。
自己負担割合と公費助成の考え方
利用する保険が決まったら、次は「自己負担割合」によって窓口で支払う金額が決まります。
自己負担額の計算例(目安)
仮に、1ヶ月の訪問看護にかかる総費用(基本費+加算)が 10,000円 だった場合の計算式です。
| 1割負担の方 (75歳以上など) |
計算式:10,000円 × 0.1 = 1,000円 |
|---|---|
| 2割負担の方 (一定以上所得など) |
計算式:10,000円 × 0.2 = 2,000円 |
| 3割負担の方 (現役並み所得など) |
計算式:10,000円 × 0.3 = 3,000円 |
※上記は単純計算の例です。実際の金額は、訪問時間・回数・夜間対応などの「加算」によって変動します。
公費助成による減免
お持ちの受給者証によっては、上記の自己負担がさらに軽減されたり、0円になったりする場合があります。
これらをお持ちの場合は、必ず契約時にご提示ください。
お子様(高校生相当まで)の費用負担について
当ステーションの対応エリア(品川区・港区・目黒区・大田区)にお住まいのお子様は、医療保険 + 自治体の助成制度(マル乳・マル子・マル青)により、原則として医療費の自己負担なしでご利用いただけます。
実質のご負担金
医療費 0円 + 交通費のみ
※医師の指示書の範囲内で利用する場合、医療保険の自己負担分(2〜3割)が自治体により全額助成されます。
対象と助成内容
-
○ 小学校就学前のお子さん(マル乳)
医療費の自己負担:0円(交通費のみ負担) -
○ 小・中学生のお子さん(マル子)
医療費の自己負担:0円(交通費のみ負担) -
○ 高校生相当のお子さん(マル青)
医療費の自己負担:0円(交通費のみ負担)
※令和5年度より、品川・港・目黒・大田区ともに高校生等まで助成対象が拡大されました。所得制限の有無は各区により異なります。
交通費など「制度外の実費」が出るケース
保険が適用されるのは「看護サービスの費用」のみです。それ以外にかかる費用は、原則として利用者の実費負担(自費)となります。
交通費のルール
訪問看護ステーションによって取り決めが異なります。「交通費は絶対にかからない」とは限りません。
- 距離による設定: 例「片道◯km以上は1回◯◯円」
- 一律設定: 例「訪問1回につき◯◯円」
- 無料のケース: 「指定エリア内は無料」「自転車で回れる範囲は無料」など
※当ステーションの場合、通常のサービスエリア内であれば交通費はいただいておりませんが、遠方の場合はご相談させていただくことがあります。詳細は契約時の重要事項説明書に記載されます。
その他の実費
以下のような費用も、必要に応じて実費請求されることがあります。
- サービスで使用するガーゼやおむつ代(事業所が用意した場合)
- 直前のキャンセル料(キャンセル規定に基づく)
- 死後処置(エンゼルケア)の費用など
契約前に確認すべき書類(重要事項説明・料金表)
トラブルを防ぐため、サービス開始時の契約手続きで以下の書類を必ず確認しましょう。
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書類 1 重要事項説明書
運営規程の概要や、交通費・キャンセル料などの「実費負担」について書かれています。「聞いていなかった」とならないよう、実費の項目は特にチェックしてください。
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書類 2 料金表
基本料金や各種加算(緊急時対応加算など)の単価が一覧になっています。目安となる月額費用について、担当者に試算してもらうことをお勧めします。
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書類 3 個人情報同意書・指示書等
医療連携に必要な個人情報の取り扱いや、主治医からの指示書手配に関する書類も取り交わします。
よくある誤解(無料/定額/回数固定)
Q. 訪問看護は無料で使えますか?
原則として医療保険・介護保険ともに1〜3割の自己負担が発生します。
ただし、生活保護の方や、子ども医療費助成などの公費制度が適用される場合は、自己負担がなくなることもあります。
Q. 毎月の料金は定額ですか?
定額制ではありません。
実際に訪問した回数や時間、緊急時の対応などの「加算」によって毎月の請求額は変動します。