涙が出る・眠れない…育児不安は相談対象?判断の目安と支援の組み方
涙が出る・眠れないなどの育児不安は、産後の心身負担として相談対象になり得ます。状態により医療機関での評価が必要な場合もあります。「つらい」と感じたら、一人で抱え込まずにご相談ください。
- 産後の不調(不眠・涙・不安)は「甘え」ではなく相談対象です
- 日常生活に支障が出る場合は、医療機関の受診を検討します
- 訪問看護で「話を聞く」「環境を整える」サポートが可能です
- 家族の理解と協力体制を作ることも、回復への大切なステップです
よくある不調と背景
出産後はホルモンバランスの急激な変化や、24時間体制の育児による疲労が重なり、誰でも心身のバランスを崩しやすい状態です。以下のようなサインが出ていませんか?
※日本産婦人科医会のマニュアル等でも、「物事を楽しみにして待てるか(興味の喪失)」「自分を不必要に責めていないか」といった点は、メンタルヘルス不調の重要なサインとされています。
「世話をするのが苦痛」「自分の子ではない気がする」といった感情は、愛情不足ではなく「ボンディング障害」という医学的な状態の可能性があります。
日本産婦人科医会のマニュアルでも、ホルモンや脳の影響で誰にでも起こりうる「症状」として定義されています。ご自身を責めず、医療的なケアの対象としてご相談ください。
相談できる範囲/受診が必要な目安
「この程度で病院に行っていいの?」と迷う方も多いですが、つらさを感じているなら相談して大丈夫です。状態に合わせて使い分けましょう。
- 不安で誰かに話を聞いてほしい
- 育児の手順がわからず自信がない
- 睡眠不足で身体がつらい
→ 生活リズムの調整や、傾聴によるケアを行います。
- 2週間以上、気分の落ち込みが続く
- 家事・育児が全く手につかない
- 「消えてしまいたい」と思う
→ 専門医による診断や治療が必要な可能性があります。
訪問でできる支援
訪問看護では、ご自宅に伺い、生活の場で以下のようなサポートを行います。
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Support 1 じっくり話を聞く(傾聴)
否定せずに気持ちを受け止めます。言葉にすることで、気持ちが整理されることもあります。
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Support 2 睡眠・休息の確保
赤ちゃんのケアを一時的に代わり、ママが少しでも眠れる時間を確保したり、効率的な休息方法を一緒に考えます。
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Support 3 育児負担の分解
「やらなければならない」と思っている家事や育児のタスクを整理し、優先順位をつけたり、手を抜けるポイントを提案します。
家族の関わり方
パートナーやご家族の理解は、ママの回復にとって大きな支えになります。
- 「頑張れ」と言わない: すでに限界まで頑張っています。「休んでいいよ」と声をかけてください。
- 話を遮らずに聞く: アドバイスよりも、まずは「つらかったね」と共感することが大切です。
- 具体的なタスクを引き取る: 「手伝う?」ではなく「お皿を洗うね」「ゴミを出すね」と具体的に行動してください。
産婦人科医会のガイドラインでは、「頑張れ」「なせばなる」といった精神論は、追い詰められているママにとって禁句(言ってはいけない言葉)とされています。また、安易な「わかるよ」も反感を招くため、ただ耳を傾けることが推奨されています。
よくある誤解(Q&A)
Q. 特に病気というわけではないですが相談していいですか?
はい、もちろんです。
「涙が出る」「眠れない」などの状態は心身の負担サインです。診断名がなくても、つらさを整理するためにご相談いただけます。
Q. 訪問看護に来てもらうには診断書が必要ですか?
訪問看護の利用には、主治医による「訪問看護指示書」が必要です。
かかりつけ医にご相談いただくか、まずは当ステーションや自治体の窓口へお問い合わせください。